離婚の基礎知識
厚生労働省の統計によると、2018年度の離婚件数はおよそ20万7000件。
多くの夫婦が離婚という選択肢を選んでいる現状があります。
もしご自身の心の中に「離婚」という文字が浮かんだら、行動に移す前に離婚の基本的な知識を知っておくのがおすすめです。
ここでは離婚相談のなかでよく登場する基本的な用語をピックアップして、ご紹介いたします。
よく使われる離婚の基本用語
協議離婚
夫と妻の間で話し合いをし、諸条件面で合意して、離婚を決定する方法です。離婚する夫婦の約90%がこの方法によって決定しています。
離婚協議書
協議離婚の際、離婚後の慰謝料の支払いや子供の養育費、子供との面接交渉権などの約束事を書面にしたものです。法的な拘束力を持たせるために、離婚協議書とともに公正証書を作成します。
公正証書
離婚の際、慰謝料や養育費の支払いルールなどの取り決めを書面にしたもの。公正証書を残しておくことで、後に慰謝料や養育費の未払いなどのトラブルが発生した場合に、強制的な措置を行うことができます。
離婚調停
協議離婚がどうしても困難な場合は、家庭裁判所で調停委員という第三者の意見を聴きながら、離婚を話し合うことができます。このケースを「離婚調停を行う」といいます。
離婚届
離婚する旨を記載する指定の手続き用紙です。離婚届に諸項目を記載し、夫婦それぞれが記名、押印したものを市町村役場に届けることで、離婚が認められます。
※離婚届には、夫婦以外にも証人2名の署名と押印が必要です。
有責配偶者
離婚原因をつくった当事者を指す言葉です。例えば夫の浮気によって離婚に至った場合、その夫が有責配偶者となります。
慰謝料
離婚をする際、有責配偶者(浮気など離婚原因をつくった方)が存在する場合に、もう一方の配偶者の精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金のことを、慰謝料といいます。
親権
子供がいる夫婦が離婚する場合、離婚後に子供を扶養する者を親権者といい、その権利を親権といいます。
養育費
子供がいる夫婦が離婚した後、子供を育てていくのに必要な費用を養育費といいます。養育費は子供の財産とみなされます。
財産分与
婚姻関係が継続している間に取得した財産は、基本的に夫婦の「共有の財産」とみなされます。離婚の際には、夫と妻で共有財産を分配するケースが多く、これを財産分与といいます。
不貞行為
一般的に「浮気」のことをいい、離婚の原因となりやすい行為です。「不貞行為=肉体関係がある」ことと定義されています。
DV(ドメスティックバイオレンス)
恋人同士や夫婦など親密な関係にある男女間で行われる虐待行為や暴力行為を総称してDV(ドメスティックバイオレンス)といいます。
扶養義務
夫婦がお互いに助け合い、共同生活を行う義務のことです。これは法律で定められています。
同居義務
夫婦は特別な理由がない限り、同居して互いに助け合い、共同生活を行うという義務。これは法律で定められています。
破綻主義
夫婦間の関係が破綻している状態ならば、離婚原因の責任がどちらにあろうとも離婚を認めるべきだと、いう考え方のことを指します。
嫡出児(ちゃくしゅつじ)
戸籍上の父親が存在し、父性が推定可能な子供を嫡出児(ちゃくしゅつじ)といいます。
非嫡出児(ひちゃくしゅつじ)
認知がなく父親が不明な子供や、未婚の男女の子供、夫の婚外子のことを指す言葉です。
婚外子
非嫡出児と同じ意味を持つ言葉です。夫婦関係にない男女の間に生まれた子供のことを指します。